車を気軽に貸すのは考えもの 運行供用者として損害賠償の支払いもありえる
SPONSORED LINK
「車を貸して欲しい」と頼まれる時ってありますよね?そんな時はどうしてますか?
「仲の良い友人の頼みだったから」、「いとこの頼みだったから」、「弟が貸して欲しいというから」
なんて理由で、気軽に車を貸す人もいますよね。
でも、車を貸して事故を起こした場合、ちょっと問題があります。場合によっては、あなたに損害賠償の支払いが降り掛かってくる場合もありえます。
SPONSORED LINK
交通事故の損害賠償はどの程度?
交通事故、あってはならないことですが、自分が加害者になることは誰だってありえます。
では、実際に交通事故の加害者になった場合、どの程度の損害を賠償しなければならないのでしょうか?
交通事故の損害賠償は、事故と因果関係のある「損害」について賠償の必要があります。
損害は、大きく分けて「人的損害」と「物的損害」に分けられます。
物的損害がわかりやすいので先に説明をします。事故によって被害者側の車などに修理が必要になる場合もあります。
さらにひどい事故になると廃車なんてこともあるでしょう。
車の修理費や廃車車両の時価相当額などが物的損害になります。さらに、修理に出していた期間、代車が必要な場合もあるでしょう。代車の使用料なども物的損害に当たります。
一方人的損害とは、事故でケガをしたり、死亡したり、後遺障害が残った場合の損害です。
ケガをした場合には治療費や通院をするための交通費がかかります。これらの費用は当然人的損害になります。
また、死亡や後遺障害によって本来なら仕事をして稼いでいたのに、事故によって仕事ができなくなり稼げなくなったという場合もあるでしょう。
これらの損害は、本来事故がなければ得るはずだった利益を得られなくなるという「逸失利益」と言われ、人的損害に当たります。
また、事故によって精神的な損害を与える場合もあるでしょう。精神的な損害は「慰謝料」という形で賠償する必要が出てくる場合もあります。
損害があれば、すべて損害賠償の義務があるわけではなく、事故と因果関係にある損害の賠償義務を負います。
つまり、全く事故と関係のない損害は賠償義務がありません。例えば事故と関係のない原因ですでにケガをしていたような場合は、損害義務がありません。
事故によって、損害を負った被害者は、加害者に損害倍賞を請求することになるでしょう。
事故の加害者だけでなく車の所有者にも損害を請求できる場合がある
たとえば弁護士ドットコムに相談が寄せられたこのようなケースでは、加害者側に支払いの能力がない場合があります。
相談の事例では、加害者が未成年者で、その親も無職収入がないというケースです。
加害者に支払いの能力がない場合は、被害者が泣き寝入りということになるのでしょうか?
被害者は事故にあって、ケガをしたり、車の修理費用がかかったのに、泣き寝入りというのではあまりにも可哀想ですよね?
そんなかわいそうな被害者を救済するために、自動車による交通事故は特別法である「自動車損害賠償保障法」が適用されることになります。
自動車損害賠償保障法では、運行供用者の責任についても規定され、その3条では運行供用者も運転者と同様に賠償責任を負うことになります。
運行供用者の中には、自動車の所有者も含まれます。ですから車を気軽に貸した場合、事情によっては損害賠償の支払もありえるわけです。
ただし、運行供用者の賠償義務は、人的損害に限られます。物的損害は運転者本人だけが賠償義務を負うことになります。
このように車を気軽に貸しただけなのに、予想もしない損害賠償を支払うことだってあり得ることなのです。
車を貸す時も、このような義務があることを頭に入れて、貸すべきかどうかを判断するようにしましょう。